ウサギと亀
孫から突然電話がかかってきた。
何かと思うと、おじいちゃんの子どもの頃の事を教えてくれと言うのだ。
小学1年生の宿題らしい。
「もう60年も昔の事だから、記憶が怪しい。テレビも電話もなくバスも走っていなかった」「お月様にはウサギがいて、餅をついていると信じていた。」今の子どもには信じられなくて、新鮮に聞こえたようだ。
そういえば小学1年では、「浦島太郎」、「ウサギと亀」の話を聞いたと覚えている。子どもながらに、亀になれ亀になれと言われたことが、納得できなかった。ウサギになって一生懸命走った方が良いのではないかと、その真意を理解できなかったものだ。
ウサギと亀の話は日本昔話と思っていたのだが、後になってイソップ物語であることを知った。イソップ物語はやけに身近な動物や農民が出てくるのだが、短い物語で内容には深い教訓が入っている。子どもに聞かせるにはうってつけの物語である。そういえば、保育園の発表会では「北風と太陽」「王様の耳はロバの耳」などが、好んで演じられていた。イソップ物語は紀元前600年の寓話だ。アイソ―ボス(イソップ)と言う奴隷が書いたそうだ。彼の話は面白く奴隷から解放された。日本では縄文時代にあたるから、ギリシャはさすがに進んでいたのだろう。イソップ寓話は358話あるので暇のある時にお孫さんに是非聞かせてあげてください(自分で読んでも面白いかも?)
更に、最近知ったことだがガリバー旅行記がお勧めである。アイルランドの風刺作家ジョナサン・スウィフトです。皆さん、ご存じだと思いますが、ガリバー旅行記には4話あり、「小人国」「大人国」「飛ぶ鳥」「馬の国」を訪れます。飛ぶ鳥ラピュータはアニメに出てくる「天空の城ラピュタ」のモデルと勝手に思っているのですがどれも面白いです。
世界一の長寿国・日本ではなぜ皆が幸せになれないのか。その答えは250年前にガリバー旅行記に記されていると中村哲医師は言う。医師でもあるガリバーは、不死の人が生まれる国に行き、興奮してぜひ自分もあやかりたいと願う。すると住民は不思議そうに「なぜ死なない事がいいのか」と言う。不死であれば知識と知恵、経験があるので、徳に満ちた理想社会が出来るのではないかと考えたのだ。
だが、その夢は破れる。年齢を重ねても、徳の高い人間になるとは限らない。不死の運命の人は普通に死ねることを羨み、悶々と生きている。死と言う時間の制限を意識してこそ、人は幸せと生きがいを持つ事が出来るという事を語る。
ジョナサン・スウィフトの名言「過ちを認めるのを恥じてはならない。昨日より今日のほうが賢くなっているのを示すのだから。」