ノーリフティングケアとは
高知県は全国に先駆けて「ノーリフティングケア宣言」を行い推進しています。
介護する側、される側双方において安全で安心な、持ち上げない・抱え上げない・引きずらないケアをノーリフティングングケアと呼びます。
ノーリフト®とは、オーストラリア看護連盟(ビクトリア州)が看護師の腰痛予防対策のために1998年頃から提言したもので、 危険や苦痛の伴う、人力のみの移乗を禁止し、患者さんの自立度を考慮した福祉用具使用による移乗介護を義務付けています。
引用 日本ノーリフト協会HP
ノーリフティングケアの 更なる推進を目指して
1.推進チームによる組織的な活動
あざみの里では利用者・職員双方に優しいケアの実践に向けて取り組みを続けています。
職員(個人)が取り組む視点は大切ですが、職員個人が、がんばっても組織的に取り組まなければ継続したケアに定着しません。
あざみの里では推進チームにより福祉機器や用具の導入だけではなく、安全にケアが行えるように教育体制も整備し職場全体で取り組んでいます。
※推進チームは介護職員、介護支援専門員、看護師、機能訓練指導員、生活相談員、事務職員等、多職種で構成
2.教育体制
キャリアラダー制度を用いて一人ひとりの能力に応じて研修を行い、受講するだけではなく定期的に更新しています。
身体の使い方から始め、してはいけないこと・するべきことの理解と徹底、それぞれの介助場面や福祉機器・用具に関するマニュアルを用いて安全に介助が行えるよう、全職員に研修を行っています。
あざみの里のノーリフティングケアとICT 活用について
あざみの里では、2013年から、ノーリフティングケアの取り組みを開始しました。
ノーリフティングケアは入所者の生活環境の改善、職員の働き方の改革と捉え利用者・職員双方に優しいケアの実践に取り組むものと考えています。
1.ノーリフティグケア
あざみの里では、吊り上げリフト6台、スタンドリフト3種類8台を導入しています。
福祉機器を導入しただけではなく、研修を通して職員の身体の間違った使い方を無くし、マルチグローブを出勤職員全員が携帯しスライディングボード・シートも各ユニットに配置することで、用具を有効に活用しています。
2.ICTの活用
開設当初よりICT化していた介護記録(ケアカルテ)にナースコールと介護ロボット(眠りスキャン)を2019年2月に80室全室にリンクさせることで、手書き作業の大幅削減、利用者の睡眠や覚醒状態、起き上がりを一目で確認でき効率的に必要なケアを行う事ができるようになりました。介護記録(ケアカルテ)を確認する事で、各部署も利用者の状態把握がすぐにでき、職員間の情報共有もしやすくなりました。
取り組み事例はメディアでもご紹介いただきました。
■平成31年3月23日高知新聞夕刊に、ICTの取り組みが掲載されました。
詳細はこちら■高知県 介護人材応援サイト
「カイゴのシゴト」でも紹介いただきました。
全室80床に眠りSCAN導入
眠りSCANは、センサをマットレスの下に敷くことにより、ご利用者の睡眠や呼吸数をパソコンや携帯端末でリアルタイムに確認することができます。
また、予めお知らせの設定をすることで、ご利用者の状態変化があった場合はその情報を各端末に通知することも可能です。
あざみの里開設当初から導入していた、記録システム【ケアカルテ】と【ナースコール】【眠りSCAN】が連動する事で、ナースコールの履歴も自動入力できます。
記録システム
ご利用者の隣に座ってでも・・
タブレット一つで
すぐに記録入力が可能です 。
過去の記録や多職種の記録もボタン一つで検索でき、様々な検討の根拠になります 。
ナースコール
ナースコールと眠りスキャンの呼び出しだしが画面一つで確認できます 。
またスマホにも転送されるためケア中にも対応できます 。
眠りSCAN
常にバイタルや眠りの客観的評価が可能 。
体調の変化にも早期に
対応。
タイムリーなケアを可能にしてくれます。
インカム導入
内線電話を使わなくても、すぐに連絡が取れます。
【人を探す・・・】
【大声で呼ぶ・・・】
インカムはそんな無駄を省き効率の良い時間の使い方をサポートしてくれます。
リフト等の福祉機器を使用し抱え上げる介助をしていない為、胸元にインカムのマイクがあっても気になりません。
あざみの里で導入している福祉機器
あざみの里で導入している福祉機器
新型コロナウイルス感染予防対策にもノーリフティングケアを
ノーリフティングケアを実践してきたことでの発見ですが、新型コロナウイルス感染症対策で提唱された新しい生活様式にも対応できるケアではないかと思います。
抱え上げての介助が無くなることで、職員とご利用者が不要に密着する場面が大幅に減少します。
介護の仕事は本来、人とのふれあいを大切にしていますが、抱え上げの介助は不要な密着です。例えば、職員2人がかりで介助していた場合の3人が密着する「介護の3密状態」は無くなるわけで緊急時以外は1対1の介助も可能です。
感染症対策は、これからもしばらく続きます。ゴールは見えていませんが、できることをより良いと思う事を粘り強く続けています。ノーリフティングケアも止まることなく続けていきます。
ダイヤリングの趣旨・目的
あざみの里職員、また関係業者の皆様で、日々の医療やケアをシステムとリンクし、患者様・利用者様を支える仕組みを「ダイヤリング」と名づけ、職員が個々に業者の方とやり取りをするのではなく、横の連携を大切にし、ケアの向上を目指しております。
患者様、利用者様がどんな生き方を願い、どんな治療やケアを望むか日頃から話し合う「ACP(アドバンス・ケア・プランニング/意思決定支援計画)」を重視し、本人の意向、価値観、不安、病状の理解等を話し合い、定期的に見直す事を実践し、地域で自分らしく今まで通りの生活を続けていけるよう、今後も日々研鑚を積んで参りますので、一層のご協力ご支援をお願いいたします。
介護する職員側の身体の使い方から始め、してはいけないこと・するべきことの理解と徹底、それぞれの介助場面や福祉機器・用具に関するマニュアルを作成しそれを用いて安全に介助が行えるよう、全職員に研修を行っています。キャリアラダー制度を用いて一人ひとりの能力に応じて研修を行い、受講するだけではなく定期的に更新しています。