ノーリフティング推進チーム活動紹介-健康管理編-

あざみの里は、平成28年度高知県福祉・介護就労環境改善事業においてノーリフティング先進施設に認定されました。
ノーリフティングケア推進チームを結成し、各部署に分かれて活動を行っています。月1回の定例会を開催し、現状の課題や目標等を報告し、検討しています。
ここでは各部署がどのような活動を行っているのか、紹介していきます。

第2回目は健康管理の活動をご紹介します

健康管理チームは主に看護職員で編成されています。
職業病とも言われる介護業界の腰痛に焦点を当てて、腰痛改善・腰痛予防に取り組んでいます。
さらに、安全衛生委員会とも連携し、職員のこころと身体の健康について発信しています。

健康管理メンバー紹介

健康管理リーダー
看護職員:松木裕子

この先、利用者の体格は縦にも横にも良くなる・・・。
持ち上げない、引きずらない介護は、双方にとって優しいケアです。

問題なのは、時間。介護職員は常に時間との闘いです。正しい介助方法や福祉用具を使用することは、「時間がかかってしまう」といったマイナスの印象がありますが、結果的には統一したケアの提供、そして腰痛予防に繋がります。

「時間がないから仕方ないよね」とNG介助をしなくていいように、「だったらどうする?」と、健康管理メンバーで知恵を出し合っています。

健康管理サブリーダー
看護職員:橋本綾子

腰痛は労働災害にあたり、福祉業界だけではなく様々な業種での課題となっています。

国が定める腰痛予防指針には「原則として人力による人の抱上げは行わせないこと」と書かれています。
人力による人の抱上げをしないよう、ノーリフティング推進メンバーが中心となり、職員教育や福祉用具の整備などを行っています。
それぞれの職員が、ご利用者にとっても自分自身にとっても安全なケアができる知識と技術を身につけなければなりません。

私自身も日々勉強しながら、腰痛に悩む職員がいない職場作りを目指しています。

衛生管理者
看護職員:池美智

衛生管理者として、一人でも腰痛を発生させないようにとノーリフティングケアにかかわっています。

実は腰痛の発生要因のひとつにはストレスがあります。ストレスの強い職場は腰痛が発生しやすいというデータもあり、ストレス軽減が腰痛予防への一歩となります。

定期的なメンタルヘルスの研修や職員との面談を通じて、少しでもストレスを軽減し、心身ともに健やかに働く事が出来るよう努めています。

看護職員:中澤真理

腰痛は業務中だけではなく、普段の生活の中でも注意しなければなりません。普段から腰に負荷がかかっていると、些細な動作でも痛みのきっかけになります。

例えば、「朝起きたら腰が痛かった。振り返ってみたら数日前のあの作業の時からおかしかったような気がする。」

これは、非災害性腰痛と呼ばれ、腰痛原因が曖昧な場合をさします。この非災害性腰痛を減らす為にも業務中だけではなく、日常生活での腰痛予防推進も重要な役割だと思っています。

看護職員:山崎和子

病院で働いていた頃は、「腰痛は技術不足で、自己管理が甘いせい」と片付けられていましたが、腰をかがめての処置や身体ケアも多く、腰痛に苦しむ同僚はたくさんいました。

ノーリフティングケアを学んで、日々の仕事内容や職場環境についてリスクアセスメントすることの大切さを知りました。

職員への腰痛アンケートでは、どんな場面や環境で負担が多いのかを集計し、課題の抽出、解決策の実践を行っています。
NG姿勢やNGケアを減らして、腰痛発症率を下げられるよう健康管理メンバーと取り組んでいます。

健康管理の活動

腰痛検診と腰痛アンケート実施

年2回(春・秋)、健康診断の時期に合わせて実施し腰痛に悩む職員の把握をしています。
アンケート結果は、ノーリフティング推進チーム内で共有し、どのような状況、場面、環境で腰に負担を感じているのか、また昨年までのとの比較等を集計し、改善策を検討しています。

メンタルヘルスの取組み

身体の健康だけではなく心の健康にも目を向け、メンタルヘルスにも力を入れています。
法人の安全衛生委員会では、職員の役職等によっても感じるストレスが違う事から、勤続年数や職掌別の研修を実施しています。
全職員が研修を受講し、自身のメンタルヘルスに興味を持ち、ストレスを溜めないよう発信しています。

ストレスは腰痛発生要因
ストレスは腰痛の発生要因の一つと言われています。
特に新人職員は仕事を効率的にこなせず、余分な動きも多い為、心にも身体にもストレスを感じ、腰痛発症リスクが高い傾向にあります。
精神的な負担を軽減することで、心身ともに健康的に就業できるよう支援をしています。

働く人に安全で安心な店舗・施設づくり推進運動

腰痛予防の取組みは、厚生労働省と中央労働災害防止協会が、展開する「働く人に安全で安心な店舗・施設づくり推進運動」を活用しています。

職員ひとりひとりが自覚をもって取組むことももちろん大事ですが、法人全体がひとつの組織として取組むことが大事です。

健康管理チームでは、法人内の安全衛生委員会や看護会で議題にあがった内容を、あざみの里ノーリフティングチームに持ち帰り共有しています。

健康管理メンバーの抱負

「職員の心身の健康が、より良いケアに繋がると思います。すべての職員がノーリフティングケアの考えを共有し、働きやすい職場作りに努めていきます!!」