24時間シート
24時間シートは、「ケアの見積書」です。入居者が1日をどのようのどのように暮らしたいのか、それをチームでどうサポートすればよいか、視点を1日の暮らしに合わせて文章にあらわしたものです。
「暮らしの継続」とは、1日の暮らしの積み重ねです。「暮らしの継続」をサポートするには、ケアの視点を1日の暮らしに合せ、アセスメントすることが大切です。24Hシートは、そのツールとなります。そして、24Hシートは、単なるアセスメントシートではなく、運営の根拠や教育ツールにもなります。
24Hシート
「暮らしの継続」とは、1日の暮らしの積み重ねです。「暮らしの継続」をサポートするには、ケアの視点を1日の暮らしに合せ、アセスメントすることが大切です。24Hシートは、そのツールとなります。そして、24Hシートは、単なるアセスメントシートではなく、運営の根拠や教育ツールにもなります。
ケアの視点1日 | 時間毎の 暮らしぶり |
暮らしの継続 自立支援 |
自立支援 | サポート内容 チームケア |
|
---|---|---|---|---|---|
時間 | 生活リズム | 意向・好み | 自分でできること | プラン | サポートが必要なこと |
0:00 | |||||
6:40 | トイレに座る | ・自分の行きたい時にトイレに座りたい。 ・恥ずかしいのでトイレをしている時は扉を閉めて欲しい。 |
・自分の行きたいときにトイレへ行ける ・トイレの位置は把握出来ている。 ・ズボンの上げ下げは出来る。 ・トイレが終わったら自分で拭く事が出来る。 |
#2 | ・起床前や夜間帯はフリーハンドでトイレに行こうとする事が多く、コールの際は出来るだけ早く訪室する(居室環境はトイレまでの導線に掴まれるものを配置している)。 ・トイレに座った事を確認し扉を閉める。 |
7:00 | 起きる | ・自分のタイミングで起きたい。 ・朝ごはんまでには起こしてもらいたい。 |
・起きるのかどうかの意思表示はしっかりと出来る。 ・起き上がりから立ち上がるまでの動作は自分で出来る。 |
・基本的に自分で起きる(7時?7時半)が、まだ寝ていたい時もあるので、現在時刻を伝え起きるかどうかの確認をする。 ・補聴器(右左)を着ける |
|
7:10 | 顔を洗う | ・きれいにしたい | ・靴は自分で履く事が出来る。 | ・洗面台に行き顔を洗う。タオルを手渡す。 ・ブラシで髪を梳く。 |
|
7:25 | 着替える | ・自分の選んだ服を着たい。 ・寒がりなので暖かい恰好をしたい(上着+ズボン下着用) ・Fa:毎日同じ服を着ているのではないか心配。 |
・タンスの中から着る服を選択する事が出来る。 ・更衣は自分で出来る。 |
・着替える際に立ったままで着替えようとする事がある為、ベットサイドに座ってもらうよう声掛けする。(ズボンを履く際にふらつきがある為) ・着替えの時に、左肩の瘢痕部を中心に、からだの乾燥しているところに塗り薬を塗る。 |
24Hシートの特徴
①アセスメントシート
入居者が、どんな暮らしがしたいのか、好みの習慣、身体的特徴等をアセスメントしないと、サポートできません
身体状況はいつも同じではありません。加齢や疾病とともに変動するので、日々確認しないとわからないのです
このようなアセスメントから導かれる介護方針も、本人と家族の同意を得たうえで進めます。
「暮らしの継続」を目指すには、「1日の暮らし」を知る必要があります。
②多職種協働(チームケア)
24Hシートの特徴は、多職種協働(チームケア)の実践が自然とできる構造になっています。ケアの質を上げ、専門性を高めるには、多職種による相乗効果を生み出すことが必要です。24Hシートには、聞き取りや「サポートの必要な事」の作成に、多職種が協働しないとできない構造が組み込まれています。
③運営・経営の根拠
・人員配置の根拠
目標達成のために、どんな作業があり、どのくらいの仕事量があるかを見極めてから、適正に人員配置をします。
24Hシートの一覧表は人員配置の根拠となります。
・品質保証の根拠
24Hシートでは、どのようなサポートをするかが明文化できます。「ケアの見える化」が品質保証の根拠になります。
・職員の安全・安心の根拠
多人数が勤務していたとしても「ケアの見える化」がされていなければ、見落としから事故につながってしまいます。
24Hシートによって入居者一人ひとりの暮らしぶりをデータ化し、それを対応した人員を配置することによって、細かなサービスを展開できます。これが、職員の安全・安心の根拠になります。
【秋葉都子著 24Hシートの作り方・使い方(中央法規出版) 3 24Hシートとは何か?より】