去る2月10日~13日に日本ノーリフト協会主催の研修視察で、オーストラリア(ビクトリア州メルボルン)に理事長他3名で参加してきました。
オーストラリアは、20年以上前からノーリフトケアに取り組んで、医療介護業界に限らず全ての業種にノーリフトポリシーが定着していました。
視察した老人ホーム、病院、リハビリセンターにはリフトや福祉用具が整備されており、保管場所も決められて当たり前の生活の一部となっていました。
小さなことですが、日本ではコンセントは壁の下側にあるのが当たり前の認識ですが、視察先では壁の中央に設置され屈まなくて良い配慮がされていました。小さなことの積み重ねが大切だと思いました。
ノーリフト先進国オーストラリアで 働き方も学んできました
先進施設では介護記録の電子化から専用通信機器、利用者の行動把握ができるように全館に床センサーを導入するなど独自の取り組みも行われていました。
ノーリフトは、身体介護の軽減に留まらずICT技術も駆使して全ての作業において環境改善に取り組まれることが利用者の生活の質の向上に繋がる好循環ができていると思いました。
あざみの里においても、眠りスキャンの使用や職員同士の連絡をインカムで行う事で業務の効率化と軽減化を図っているところであり、更なる改善ができないかと思える発見が多くありました。
外国人労働者が多く働くオーストラリアでは、マニュアルとは別に介助方法の周知も写真やイラストで解説し、わかりやすく伝える工夫が用いられていました。この考え方は外国人技能実習生を受け入れる予定である当法人も見習いたいと思いました。
環境面ではホテルのベッドやゴミ箱、シーツBOXまでタイヤと高さが調整できるように工夫され、社会全体で身体に負担がかからない環境を整えてきた努力が伺えました。
配達業者からホテルのベッドやゴミ箱までタイヤがついており、抱え上げ等体への負担を減らす環境整備がされていました。
ノーリフトケアは介護医療という小さな枠組みの中で行うものではなく労働者全体の取り組みとして引き続き取り組みを続けていきたいと思う海外視察となりました。