そうーめん崩壊? とは
米国留学時、私の行ったフィリー(ペンシルバニア州、フィラデルフィアの俗称)のラボ(研究室)では決まり事がありました。それは留学期間の最初に日本から来た留学生にはボスから「日本人は報告→相談という風習があるようだが、私のラボでは逆にしろ。いつでもいい、寝ている時間でも休日でもいいから私にまずは相談しろ。自己判断で勝手なことをして報告されてから、こうしよう、という相談をするのでは効率がよくない」という内容でした。
帰国後、一宮きずなクリニックを開業したのですが、報連相の逆の考えはいいな、と思っていたので当院ではその考えのもと働くようにしています。最近になって、ビジネス書などで、新・報連相、などの言葉がでてきたり、相談→個人面談→報告→全体会議、という流れから「相面報会(そうめんほうかい)」という言葉もあります。
自然とこの形になっている組織もあるのでしょうが、私は決まり事を作っておいた方がいい、と感じています。米国の悪いところを上げればキリがありませんが(日本も同じかもしれませんが、日本には少ない、治安の面や、実際にある人種差別などです)、研究室での効率化は日本より優れていると感じました。
さて私が作った「相面報会」(商標登録済)という言葉ですが、米国のラボで行われていたことを日本語の略語にしたものです。いつでもボスに相談していい、毎日英語が苦痛な個人面談が10分ほどありますが、アドバイスも貰えるしボスに意見も言えます、そして連絡という報告にはいっているんじゃあないのかというツッコミどころ満載のものはなく、毎日レポート形式でクラウドに報告をして評価をうけます。他ラボも含めた週一回の30分の全体会議(ミーティング)での発表をする研究員が各部署のボスも含めた全員から質問されて次につながっていきます。
基本米国のラボは、言い方は悪いですが、決断する責任をもつボスが少々独裁的でしたが、ラボは常に進化し、いい方向に変わっていました。決まり事もその場その場で変わっていきます。 強いものが勝つのではなく、適応するものが生き残る、という格言どおりのことを、優れた組織ではしているのだな、と感じました。
きずなクリニックも少しずつではありますが、診療をうける患者さんにとっていい方向に変わっていければいいと思っています。
一宮きずなクリニック
院長 福田 大和