福田理事長のすこやか通信-2020年6月号-

美しい国「日本」

 6月になり日本の緊急事態宣言も全国で解除され、少しずつ元の生活に戻りかけている。

 WHO世界保健機関のテドロス事務局長は日本の新型コロナウイルス対応についてこう語っている。「日本は死者数を最小限に抑え、新型コロナウイルスの感染拡大防止に成功した。政府の対応はやや遅れたが、日本国民全員の協力の結果である。日本は引き続き感染の特定や追跡、治療や隔離を続けていくだろう。」

 私も日本人の結束は強く、みんなが日本という国を愛している結果だと感じている。全く政府は国民に感謝してもらいたいものだ。

 そこで、改めて日本という国について考え調べてみた。豆知識的なものだが、皆さんはご存じだっただろうか。

 まず、「日本」の読み方。漢字で書けば誰もが日本と書く。しかし、読むときはニホンとニッポンにわかれる。どちらが正しいのか。日本航空(にほんこうくう)日本生命(にほんせいめい)であるし、日本放送協会(にっぽんほうそうきょうかい)日本銀行(にっぽんぎんこう)が正式な読み方である。この読み方については何度か国会でも協議されたが結局、どちらでもいいという事になった。柔軟と言えば聞こえはいいが、いいかげんである。世界中どこを探しても日本だけだった。

 では、日本はいつから日本という国になったのか。確か「倭の国」と呼ばれていた記憶がある。

  吉田孝「日本の誕生」という本によると607年、推古天皇が小野妹子に託した国書がルーツのようだ。倭という言葉は「ゆだね従う」「背が低い」「醜い」という意味で、これに反発して「日出づる所の天使」と自らを名乗ったことに由来するようだ。正式には701年「大宝律令」で初めて日本という国名が出てくる。

 ところが、日本と呼んでいるのはわが国だけで、外国では皆、ジャパンと呼ぶ。何故なのか。

 調べてみたところ、一番もっともらしいのが、13世紀、イタリアの旅行家、マルコ・ポーロがアジア諸国を旅したことを期した「東方見聞録」に登場する黄金の国ジパングだと言われている。これは当時ヨーロッパのベストセラーだったようだ。コロンブスが西に向かい黄金の国を目指しアメリカに辿り着いたのはこの本を読んだからだとされている。しかし、実際にはマルコ・ポーロは日本までは来ていないのだ。中国に行ったとき中国人が「日本国」(ニッポンコク)を訛って、「ジッポング」と呼んでいたのを「ジパング」と呼び「ジャパン」になり、今に至ったと言われている。

 ついでに、日本の国旗はなぜ日の丸なのか。正しくは「日章旗」と呼びます(英語ではサン・ライジング・フラッグ)。天皇とも関係ないようです。皇室の旗は赤字に金色です。源平合戦で平家は赤字に金、源氏は白地に赤の旗で戦いました。勿論勝ったのは白地に赤の源氏(源頼朝)でした。その後、日本の船には日の丸が使われたのですが、正式に国旗となったのは何と平成11年なのです。

 最後に、「君が代」です。
「君が代は 千代に八千代に さざれ石の 巌となりて 苔のむすまで」

 「君が代」も正式に国歌となったのは平成11年です。私は意味を知らずほぼ丸覚えで今まで歌っておりました(恥ずかしながら)。

  この歌は古今和歌集の詠み人知らずの歌詞です。現代語にすると、「君が代は、千年も八千年も永遠ともいえる時間、小さな岩が大きな岩になって、その岩に苔が生えるまで、長続きしますように」となります。君とは身近な人を指します。その人の長寿を祈る愛の歌だったのです。苔が生えるまでなんて、如何にも風流を楽しむ日本人らしくて良い表現だと思いませんか。

 日本はとても良い国です。コロナ自粛でそんな事を考えていたのです。

 今は何となくほっとして、夏物のマスクが流行になっているのに、首を長くしてアベノマスクと10万円を心待ちにしている平穏な日々です。皆様の健康をお祈りしております。