すこやか通信-2021年6月号-

2021年4月11日、運命の日がやってきた。「マスターズ」の最終日だ。日本人では永遠に無理だと思っていた優勝を松山英樹がやってのけたのだ。日本人初の海外メジャー制覇である。毎年、早朝からテレビに噛り付いている私には夢のような場面であり、この偉業に涙が出そうだった。

勿論、松山選手の努力・実力は確かである。しかし、色々な幸運も重なっていたのではないだろうか。

私が思った幸運とは、同伴競技者の組み合わせだ。ザンダー・シャウフェレ(27歳)をご存じだろうか。彼こそが、3日目、最終日(4日目)と同組の競技者だ。2年前、このマスターズでタイガーウッズに敗れ2位に終わった選手である。母親が日本育ちの台湾人であり、親日家だ。小柄であるが飛ばし屋で世界ランク5位の有望株だ。優勝争いにおいて松山選手にとっては一番の脅威である。しかし、最終日・最終組であるにもかかわらず、二人は仲良くプレーしていた。今までには考えられない光景であった。彼の存在こそが松山選手の優勝を導いたのではないかと思えた。

松山が首位、シャウフェレが2位で臨んだ最終日、シャウフェレは痛恨のボギースタートであった。この時点で、ふて腐れそうなものだが、彼は正々堂々とした姿に見えた。お互いに讃え合い進む姿は見事であった。15番ホールまで4連続バーディーを取ると首位とは2打差に縮まっていたのである。運命の16番ホール、ショートホールだ。ホールインワンを狙ったという一打は池ポチャしてトリプルボギー。事実上ここで松山に勝負あり。しかし、その後もシャウフェレの態度は少しも変わらない。

最終3位となったシャウフェレが、記者会見に臨んだ。記者から「最悪の一日であったと思うが心境は」という質問が出た。この時の彼の答えが印象的であったので是非紹介したい。「私はラウンド中は一打一打に集中している。失敗があっても後悔することはない。反省するのは終わった後の練習の時だ。松山と同じ組で、私も良いゴルフが出来た。秀樹はスゴい。王者の戦いぶりであった。今日は私にとって最高の一日でしたよ。」

良い友、良い選手相手に出会う事は、本当に幸運なことだと思い、自分に置き換えて納得もした事であった。見習う事が多い記者会見であった。

東京五輪で松山とシャウフェレが一緒にラウンドできたらいいな。今度はどちらも応援してあげたいな。

一つだけ、疑問がある。松山選手の手だ。両手とも日焼けして同じ色であった。手袋履いているのに何故?知っている人がいたら、今度教えて下さい。