すこやか通信-2021年7月号-

尺牘

14の僕には、人には話せない悩みの種がありました。そのため未来の自分に宛てて書く手紙なら、きっと素直にうちあけられるだろう、と思いました。

その内容は「拝啓 今、負けそうで泣きそうで消えてしまいそうな僕は、誰の言葉を信じ歩けばいいのだろうか?一つしかない 蝦蟇口も、銀輪も盗難被害で、北環状線のない今を歩いている。敬具」というものです。

36になった自分がその手紙を見つけました。そうだった、14の自分に伝えたいことがあったのです。その内容は「拝啓 努力は実ると仲間が教えてくれて医師の道へと夢の舟を、進ませるんだ。負けないで泣かないで消えてしまいそうな時は、実るまで努力をすればきっと開くよ、道が。大人の僕も傷ついて理不尽なことばかりだけど、苦くて甘い今を生きているから大丈夫だよ。 敬具」というものです。

人生の全てに意味はあると考えて、恐れずに自分の夢を育てて。
いつの時代も悲しみを避けては通れないけど、笑顔をみせて、北環状線を車で飛ばしています。

43の私は2つの手紙を見て、今の自分と過去の自分たちに手紙を書くことにしました。

Dear oneself of old and now days, (昔と今の時代の自分へ)
虚心坦懐な人と成り、怨親平等に個性を発するように、只管に医療に専心すべき。
但し眷属な人を守り、身命を賭すべき 力倆 をだすように、只管に思遣りに傾注すべき。

Sincerely yours,
Yamato Fukuda

上記は大好きな同郷の歌手 アンジェラ アキさんの曲「手紙」と、流行りの「呪術回旋」という漫画(アニメ)を組み合わせて文章・詩を作ってみました。医師としての言挙げですが、勤務医には「リスク」が、開業医には「責任」が、それぞれにより多く配分させられます。それらを勘案しても窮迫な職務であることは明々白々です(厖大いる物臭な医師は、この際抛ることにして沈思黙考します)

医師として、人として「器」とはどういったものか考えるようになりました。「性格がいい」<「人格者である」<「器が大きい」の順に医師・人としての深みがあると思います。幸い自分の友人は「器が大きい」人が多く、非常に参考になります。医療だけではなく、自分の「器」を大きくするための就学もする、という日々を過ごしています。

P.S 理事長先生 松山英樹選手は香川県で作られている「かなり」厚手のグローブを使っているそうです。私はゴルフ、今はほぼしませんが、厚手のグローブの選手は移動中、グローブを外すことも多いそうです。参考になれば。

一宮きずなクリニック
院長 福田大和