すこやか通信-2021年8月号-

猛暑とコロナ禍で行われた東京オリンピック。大活躍の日本人選手以上に、まさに熱中(?)症で疲れたのは皆さんのほうだったのでないでしょうか。

 さて、今世紀初め。私は開業したばかりでしたが、その頃、将来の日本を憂う者たちは「2025年問題」に直面し焦っていました。「2025年問題」とは団塊の世代が75歳以上の後期高齢者となりわが国が超高齢化社会となることです。それは言い換えれば「多死社会」という事です。病院も医者も看護師も足りない。介護する者もいない。死ぬ場所さえ足りない。そんな時代が来ると恐れていたのです。多くの同志たちが、在宅医療・介護、介護施設を作って備えようと必死でした。

 ところが、時の経つのは早いものです。もう21年が過ぎようとしてます。国の政策は後出しジャンケンで遅れ遅れです。とても間に合いそうにはありません。私たちは地域あるいは個人でその対策を練っていかなくてはなりません。

 今出来ることは、それぞれが健康寿命を延ばして、社会に貢献することです。健康寿命とは自立して過ごせる期間を言います。ちなみに日本人の健康寿命は現在男性74.14歳、女性74.79歳です。

 医療の考え方も大きく変わっています。若い人にはですが、高血圧や糖尿病、高脂血症を防ぐためにメタボ対策を口を酸っぱくしてお勧めしています。生活習慣病の予防が一番です。

 ところがです。高齢者が増えてきた今、「これでいいのか?」という事になりました。実は標準体重の人よりしょっと肥え気味の人が長生きして健康だということが解ったのです。生活習慣病予防は必要ですが、体重の減量をし過ぎるのは良くないという事です。BMI(体重÷身長の二乗)で言うと23から24程度が理想的です。160センチの人なら60キロくらいが理想になります。カロリー摂取に対する考え方は70歳以上ではギアチェンジが必要です。

 半年に2キロ痩せる人はフレイル(虚弱)と言って、次第に体力が衰え要介護状態になる可能性があります。例えば両手の親指と中指で作った丸で下腿をスッポリ掴める様だとフレイルの可能性あり。一度、健康状態のチェックをしてもらいましょう。

 栄養の取り方としては、たんぱく質をしっかり取りましょう。勿論、バランスも問題です。一日に7種類の物を食べるくらいがいいようです。ごはんもデザートも一品と数えます。

 今のところ、生活に不自由は感じていないが、言われてみると何となく感じるという70歳以上の方、「些細な衰え」を感じるいる方は生活・食事を少し考えてみましょう。

 弱っていかないためのアプローチ法として3つ挙げます。

1)しっかり歩く
2)しっかり噛んでしっかり食べる
3)社会性を高く維持する(社会参加)
です。

 私は172センチ、80キロ。これは問題です。うーむ。(uuum)