すこやか通信-2022年2月号-

医療強度とブルーオーシャン

 このすこやか通信2月号が出ている頃には少し暖かくなっているのかもしれません。循環器内科をしていると地球温暖化という、冬が暖かい、というのは、その部分だけで生態系を考えなければ、さらに言うと夏が暑過ぎなければ、悪くありません。循環器疾患の進行、発症は「寒冷」がトリガーになることが多いからです。発想の転換、コペルニクス的転回ということです。

 さて、医療をしているものとしては私見ではありますが、アウトプット、つまり自分自身が公の場で意見を述べて他の医師の評価を受けることが「医療強度(造語です)」を上げる行為だと思っています。もちろんインプット、本を読んだり、研究会での聴講も重要だとは思います。しかしアウトプットをすることは、その事項に詳しくなる、その道の専門になる、「医療強度」を早く、そしてより高く上げる方法だと開業してより強く思います。

 ブルーオーシャンという言葉があります。これは波風立たぬ穏やかな海のイメージであり、医療に限らず他の事業が参入していない分野を示します。激戦区のことを逆にレッドオーシャンと言います。医療の格言で「女性をみたら妊娠を疑え」というのがあります。これはレッドオーシャンであり、医師であれば常識なことです。こういったことは必要最低限の知識として、医師以外の医療をうける側の患者さんにも知っておいてほしい事柄です。私はブルーオーシャンについて検討し、「医療強度」をあげるようにしています。例えば「心臓病を患った方は、その後悪性疾患を患いやすい」という自分自身で考えつき、全国学会の教育講演で「一宮きずなクリニック 福田大和医師より提供」という注釈付きで使用されました。これは実は世界初の考え方で、循環器の分野では癌がほぼないので、新しい医療の格言になるのではないか、いや当然のことだろう、と思っています。
 医療行為では各学会が治療の方針、ガイドラインというもの、を発刊しています。その通りの治療をすることは重要ではありますが、その治療「だけ」をするのであれば、画一的な医療行為になってしまい、患者さんにとっては必要最低限の治療、個々の患者さんに寄り添った医療とは違う、ということになります。
 ブルーオーシャンを確立させ、それが当たり前になるようにアウトプットをし、コンセンサス(医療の識者の意見が一致する)が得られるようにして、患者さんにとって、より高度な医療の提言をして提供できるように努力してまいります。

 余談ですが、「7つの大罪」がありますが、私は程度の問題で「罪」ではないと思っています。「傲慢」、「嫉妬」、「憤怒」、「怠惰」、「強欲」、「暴食」、「色欲」ですね。例えば「嫉妬」がなければ競争意識がなくなり様々な分野の発達がなくなります。「強欲」がなければ働く意識が小さくなり家族だけでなく自分自身さえも養えなくなるかもしれません。「怠惰」も考える時間がないと良いアイディアが思いつかず、医療強度のみならず、人間強度が弱くなるでしょう。よってダラダラ過ごす日々も重要なのではないでしょうか。この原稿を書いた後は大好きな推理小説をご褒美に読むことは私にとっては重要かつ不可欠なことで、しごく正当なこと?なのです。

一宮きずなクリニック
院長 福田 大和