福田理事長のすこやか通信-2020年10月号-

 朝夕が、急に涼しくなり、体調はそれなりに良くなったと感じられる10月。

 それにしても、人の問題、金の問題、病気の問題etc.次々と問題の山積みだ。どこぞのクイズでもあるまいし、難問が多すぎる。しかも、自分の問題処理能力の無さに嫌気がさしてくる。

 そこで、問題が起こった時にどう考えればよいのかを、学んでみた。

 例えばだ。キャンプファイヤーをしようと職場のメンバーと山を散策していた。ゴール地点では見晴らしの良い高台。ゴール近くまで来ると川が流れていた。川を越えるには吊り橋を渡る必要がある。ところが吊り橋の中央の板が腐っている。川から吊り橋までの高さは3メートル以上あり、万が一落下すれば大けがをするだろう。こんな時、あなたならどう対処しますか?

 皆さん、一度考えてみて下さい。答えは沢山ある。橋を直す。遠回りをする。帰る。どれが正解かは解りません。

単純ですが答えを見出すときに、一つ大切なことがあります。それは、目的を失わない事です。この場合はメンバーとキャンプファイアーをする事です。「近くの河原で楽しむ」という選択もあったのです。目的を忘れない人にはこういう発想もあるのだと感心しました。

ところで、今私たちが直面している問題は、これからの流行が懸念されるインフルエンザである。例年と違いコロナとの同時流行に対する対処は困難である。発熱、喉の痛み、咳。インフルエンザなのか、コロナなのか、風邪なのか、診断を鑑別するのは実に困難である。どの検査を優先するのかも問題であるが外来でのコロナ感染だけは避けなくてはならない。すべてを同時に検査しようとすると外来は混雑するであろうし、感染の機会も増える。如何にしてコロナを排除し、他の病気を治療するのか、頭を悩ましているところだ。

 幸い、厚労省の発表では今年はインフルエンザの大流行は無さそうであるが、いざという時のために対策は欠かせない。現在、電話対応にする案、発熱者の病院外での診察・検査、コロナが疑われる方への紹介方法など検討中である。他の県では医師会がコロナセンターを作る方向で進んでいるが、高知県でも是非、そのような対応を検討していただきたいと思っている。また、新しい検査方法、キットが開発されており10月中には利用できるとの事であり期待される。

 いずれにせよ、冒頭に書いたように私たちは目的を忘れることなく解決したい。それは患者様の安心と職員の安全に他ならない。

 感染症に対する予防で最も効果的なのはワクチンであるがコロナには未だにワクチンがない。インフルエンザだけでも早期にワクチン接種が急がれる。また、現時点では、今行っているマスク、手洗い、三密の回避、ソーシャルディスタンスが最も効果的な予防法だ。私たち一人ひとりの予防行動が未曽有の事態阻止に繋がるのです。

 神にでも頼りたい心境ではあるが、時は10月、神無月(神なし月)。すべての神様は出雲に出張中である。残っているのは恵比須様だけ?

 いや、待て。家には、偉い神様がいる。紛れもない「かみさん」だ。一応相談してみるか。